フクザツな好意
私の一目惚れ。
時は5年前,大学生のころです。はじめて出会った場所は,たしか奥多摩だったかな。
上品な紫色の花びらが,小難しく組み合わさっている。
こんな出会い,はじめて。
さっそく握りしめて,見つめて,スケッチ。
ツバメのような尾っぽは,虫媒花の証拠。
花の奥まで口をのばさないと,蜜を吸えないんだろうな。
分解すると,おしべは12本,めしべは3つに分かれてる。尾っぽの中も,緻密でした。
図鑑で名前を検索したところ,これまた不思議なお名前。
芹葉飛燕草(セリバヒエンソウ)という,貴族のような名の植物でした。
他のこともあれこれ知りたい。
図鑑をさらに読むと・・・
え。これ外来種なの???
大変びっくりしました。
外来種でもこんなのいるんだ。
しかもしかも,その後も道ばたを観察したところ,都会の道ばたではほとんど見つからないのです。山のふもととか,自然が多いところではたくさん見つかります。
どうやらアスファルトよりも,湧き水でしっとりとした水辺が好きなようです。
長い尾っぽの花,新天地の日本では,どんな昆虫をおびき寄せているのだろう。
ほとんど見たことありません。けど,少なくとも私はおびき寄せられています。
外来種のセリバさん,愛でたいんだけど複雑な気持ち。
自分で育てるのは一応遠慮して,毎年必ず,帰化してしまっている場所に会いに行っています。
「雑草という名の草はない」という有名な言葉をお借りして・・・
★ 外来種という名の草もありません★
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最後に,セリバさんの写真を載せます。