未知草のーと(ミチクサノート)

身近な自然に目を向け,小さな不思議や小さな発見を綴っていきます。 東京暮らしの日々にも,ちょぴっと楽しみを添えてくれる自然たちです。

フクザツな好意

私の一目惚れ。

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時は5年前,大学生のころです。はじめて出会った場所は,たしか奥多摩だったかな。

上品な紫色の花びらが,小難しく組み合わさっている。

こんな出会い,はじめて。

さっそく握りしめて,見つめて,スケッチ。

 

ツバメのような尾っぽは,虫媒花の証拠。

花の奥まで口をのばさないと,蜜を吸えないんだろうな。

分解すると,おしべは12本,めしべは3つに分かれてる。尾っぽの中も,緻密でした。

 

図鑑で名前を検索したところ,これまた不思議なお名前。

芹葉飛燕草(セリバヒエンソウ)という,貴族のような名の植物でした。

他のこともあれこれ知りたい。

図鑑をさらに読むと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

え。これ外来種なの???

 

大変びっくりしました。

外来種でもこんなのいるんだ。

しかもしかも,その後も道ばたを観察したところ,都会の道ばたではほとんど見つからないのです。山のふもととか,自然が多いところではたくさん見つかります。

どうやらアスファルトよりも,湧き水でしっとりとした水辺が好きなようです。

 

長い尾っぽの花,新天地の日本では,どんな昆虫をおびき寄せているのだろう。

ほとんど見たことありません。けど,少なくとも私はおびき寄せられています。 

 

外来種のセリバさん,愛でたいんだけど複雑な気持ち。

自分で育てるのは一応遠慮して,毎年必ず,帰化してしまっている場所に会いに行っています。

 

「雑草という名の草はない」という有名な言葉をお借りして・・・

外来種という名の草もありません★

 

 

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最後に,セリバさんの写真を載せます。 

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ツアーのご案内:高尾山編

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気持ちのいい季節になりましたね。

連休も明け,次の祝日は再来月・・・。旅行に行く暇なんてない!という方もいらっしゃるかもしれません。ですがそのようなお客さまにこそ,忙しい日常から離れ,爽やかなひと時をお楽しみいただきたいーーーそんな私たちの思いを形にしました。

 

この度,弊社では高尾山のツアーを企画いたしました。日帰りのツアーのため,お手軽にご参加いただけます。この季節にしか味わえない清々しい森林,ぜひお楽しみ下さいませ。

 

 

このパンフレットにご希望の日程を記入していただき,お友達を集めれば,簡単にツアーをお楽しみいただけますよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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はい。こちらは旅行会社のブログではないですよ〜笑

高尾山は,以前にNHKブラタモリでも取り上げられていて,自然的にも文化的にも面白いところです。気持ちのいい時期に,ぜひセルフのツアー(笑)で行ってみてくださいね ^^

「きゅうり」の季節

5月になりました。道ばたの生き物が,たくさん現れてきましたねっっ(^^)

みちくさ,毎日し放題なのです!いぇーい!!

 

この季節,私にとっては「きゅうり」の季節です。

あ,きゅうりと言ってもね,野菜ではなくて道端に生えてるお花のこと。

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キュウリグサ (Trigonotis peduncularis, ムラサキ科キュウリグサ属)といいます。

都内でもその辺に生えてるし,色合いも結構かわいい。

でもでも,花は2 ~ 3 mmしかないので,全然みんなに気づいてもらえないの。

 

この子がキュウリを名乗る理由は,葉っぱをもむと分かります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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あぁ・・・,何とも言えない,きゅうりの香り・・・!

はらぺこの河童に,教えてあげたいです。

仲間っていいね

こんばんは。

 

おとといは天気がよかったので,公園で道草くってました。

いい匂いに惹かれてたどり着いたのが,これ。

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ジンチョウゲです。

 

・・・ん、なんかこの写真の雰囲気、どこかで見たことあるような。。。

 

 

 

 

 

 

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 そう,これは,前回紹介したミツマタと同じなかまなんです。

お金の木! - 未知草のーと(ミチクサノート)

どちらも同じ「ジンチョウゲ科」*1

ポンポンみたいな花,似てるでしょ。

 

同じなかまで似ているということは。もしかして。

枝の分かれ方も一緒だったりして!?と思い,じっくり見てみたところ・・・

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ジンチョウゲの枝は,ミツマタだけでなくフタマタの部分もありました。

ミツマタさんのアイデンティティ,守られてて良かった~。笑

 

ジンチョウゲミツマタ,花のつき方は似ているけど,枝分かれはちがう。

あ,葉っぱのつき方が違うことにも気づいちゃった。*2

 

そんなこんなで、今日の一句。

 

みちくさも

なかまがいると

たのしいね \\٩( 'ω' )و //

*1:補足:この2種,科は同じですが属は違います。ジンチョウゲジンチョウゲ属,ミツマタミツマタ属です。

*2:ジンチョウゲは葉がありますが,ミツマタにはありませんね!みなさんは気づきましたか??

お金の木!

猛烈にお久しぶりです。。m(_ _)m!

いよいよ4月,いきものが活発になる季節です。

 

f:id:misaki_miz1nko:20170401224348j:plainこれはミツマタという,中国原産の低木です(ジンチョウゲミツマタ属,Edgeworthia chrysantha)。花は今が見ごろ,黄色いポンポンみたいな花序をつけます。

この木は古くから和紙の材料として使われていて,なんと日本の今のお札にも使われています。*1

・・・となると,私はほぼ毎日ミツマタに触っているのか。ああミツマタよ,お前は知らない間に私の財布にまで潜んでいたのかっ∑(゚Д゚)!!

  

ミツマタはその名の通り,枝が3つに分かれます。

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あそこも,ここも,ほらほら三つ股。

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枝の分かれ方に気づいた人の観察力,すごいなと思います。多分私だったら,花に見とれちゃって枝のことには気づかない。  あ〜,でも和紙を作るためにせっせと枝を切っていたら,気づくかもしれないな。

 

お札の材質にも和紙の文化が生かされていて,そして植物が使われていて・・・。いやぁ~日本ってすてきですね。

 

この春はサクラが遅いこともあるので,お札を握りしめながら(!?)ミツマタでお花見をしてみてください。

しぜんな自然(本日雪なり!)

お久しぶりです m(__)m

 

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11月なのに雪が降った,今日の東京。

54年ぶりだそうで。紅葉と雪のコラボが近所で見られるのは,次はいつだろうか。

気まぐれおてんとさまが作ってくれた,美しい景色。

 

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そしてこちらは,人間が綺麗に切り揃えた街路樹。よくある景色。

しかし,近づいてみると・・・

 

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なんじゃこりゃー!

同じ樹から2種類の葉っぱが!もしかして樹木フュージョン!?

 

 

・・・ではありません。これは,異形葉性というもので,どちらも同じカイヅカイブキから出ている葉っぱ。

剪定などでストレスを与えると,普段のうろこ状の葉ではなく,なんとトゲトゲの葉が出現しちゃいます。

園芸の世界では,この現象を「先祖返り」と言うんだとか。

せっかく切り揃えたのに,これまた見た目が不揃いになっちゃって,もう困っちゃう〜。

 

身近な小自然も,全てはコントロールできない。小自然よりもちっぽけな人間。

でもだからこそ,たまに美しかったり,たまに困ったり,でも面白かったりするものが生まれるんだろうなぁ〜。

 

季節外れの雪景色,明日もまだ見れるかな。